私らしく・・・

先日、ある食事会に参加した。六本木のフレンチレストランで、ヴィンテージワインを楽しむ会にご縁のある方からお誘いいただいたのだ。私には場違いだな・・とわかっていながらも、興味の方が大きくて喜んで出かけていった。

六本木という場所は、いまはアクセスも良くなりホテルなどでの用事も時にはあり、ドイツ大使館も近くにあるので、まったく分らないわけではないけれど、若いときにはディスコもクラブもまったく縁もなく、遠い街と思っていた。

それでも高校生のころ、劇団というものに興味を持っていた私は、劇団見学ってことで、六本木のある劇団に1週間ぐらい通ったことがある。ひとり、お下げにベレー帽姿のお嬢様制服のまま、八王子から・・・・・怖いもの知らずである。それで、お兄さん、お姉さんたちに面白がられ、ご飯や飲み屋見学にも連れて行ってもらって、ついには終電も逃し、お金もなく、たまたま近所だった(すごい偶然)お兄さんと一駅とぼとぼ歩いたことが・・・・。
家にたどり着いたら、父が仁王立ちしていて、ぶん殴られた時には、さすがに弁解の余地なしでした。終電に間に合っていたら怒られなかったのか????それは分りませんが・・・親にお伺いを立てるなんてことをすっ飛ばして行動する危ない子であったことは確かです。

そんな思い出もある六本木。

地下から出て、一瞬どちらに進めばいいのかわからない。方向音痴は数々の失敗で実証済み。よ~く確認して六本木通りをヒルズの方に進む。特別に蒸し暑い日で、すでに汗が噴出している。ひとりでは絶対に入っていくことのなさそうな路地を、おそるおそる曲がる。すると、喧騒にまみれた街とは違った空気。さらに車も通り抜けなそうな小道にその店はあり、まさに隠れ家的。

仕事が終わって駆けつけたが少し遅刻をしてしまった。お客様はすでにお集まりだった。汗をかいている自分が情けない。歩ける距離でもタクシーを使うべきだった。。。ホストと私も含め、男性2人、女性4人の6名。それが1本のワインをちょうど良い分量で分られ、かつ、ひとつのテーブルを囲んでお喋りを楽しむのにベストな人数なんだそうだ。そんな心遣いもさすがだと感動する。

一組はご夫婦であったが、あとはホスト以外とは、みな初対面。簡単な自己紹介はしたものの、仕事の話はタブー。話のメインはあくまで今日のワインと料理。

しかし、そのお喋りのアクセントには、お仕事の経験や知識、センスやお人柄など様々なものが散りばめられて、初対面でありながらなんとも心地好く、初めてだらけで緊張した私もすぐにリラックスし、あらゆる感覚を総動員してワインもお料理も堪能することができたし、あらゆる欲求が満たされた時間を過ごすことができた。


こういう素敵な時間を追求する気持ちを、近頃はすっかり忘れていた。
素敵な演奏会を提供するには、自分が素敵でなければ・・・・と思っていたのにだ。

センスが良く素敵であることを求めても、現実とのギャップや、回りの意識との差や、自分のあまりにもセンスの低さに幻滅したりで、ついつい、どうでもいい・・・めんどくさい・・・・と、こだわる手間を惜しんでしまう。

音楽だって演奏へのこだわりを失ってしまったら、あっという間に演奏者ではなくなってしまう。

どうでもいいものを食べ、どうでもいいものを飲み、どうでもいいものを身につけ、どうでもいいものを見て、どうでもいい仕事をして、どうでもいい家に住み、どうでもいい人と話し、どうでもいい暮らし。どうでもいい自分。。。。おそろしいけど、簡単だ。

すべてにこだわるのは無理だけれど、ここぞというところ、私らしさに必要なところ、その人に必要なところだけは、例え自分にだけしかわからなくてもこだわって生きていきたい。

ひとつのことにこだわって磨いていけば、自然に他の事だって相乗効果でセンスが磨かれるはず。
ひとつだけ秀でていても、後はダメダメで人として魅力なしってことは、きっとそのひとつだってないがしろにされてるに違いない。

音楽を大切に頑張れば、それがきっと素敵な自分を作り出してくれるに違いない・・・とそんなことも思った、素敵な出会いのあった、素敵な日となりました。
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by saori-kitamura | 2010-06-24 17:20 | あれこれ・・・ | Trackback | Comments(0)

ソプラノ歌手 北村さおりの日常あれこれと音楽活動のご紹介。 


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