その2 トラウマから脱出

コンクールに向けて、演奏会に向けて、自分の役割をだんだんわかってきましたが、

コンクールに参加するかは、実は、ギリのギリのギリギリまで悩んだ。最後、さあ、みんな頑張って~と送り出して、自分は残りたい気持ち。

コンクールが怖いというのは、まあ仕方ない。

初めてのコンクールは学部のとき。3年生だったかしら。なぜか大学の先生には相談せず、地元の先生に相談するが、コンクールなんて・・・やめなさい。。と言われ相談にならず、自分でかき集めて提出した曲目。何も知らないとは恐ろしい・・・アリア、日本歌曲、外国語の歌曲が1・2次予選・本選で必要だったが、本選で歌った歌曲は、なんと、ヴィヴァルディのアリア・・・・・・・・・古典歌曲ということで審査員は認めてくれたのだと思うが、今から思えば非常識だったと思う。他の参加者はシューベルトとか歌ってた。それなのになぜか私が優勝した。

たまたま上手く歌えたのだろうけれど・・・・その後、インタビューなどあったりして天狗になっていく。なのに回ってきたお仕事では、レパートリーがないために必死に練習するが酷いもので、私の名前を知らないけれど、優勝した人だから・・・・と思ってくれていた共演者やお客様をがっかりさせてしまったこともある。コンクールは恐ろしいものだと・・・思い知る。

その後、歌曲やアリアのコンクールに挑むが、予選敗退が続く。優勝しているのだから・・・と思うけれど、または、思うからなのか。実際に実力不足だっただけだったとおもうけれど、酷く落ち込む。

その後、勉強に手ごたえを感じるようになって、ようやくコンクールも結果が付いてくるように。すると、また、絶対次は今よりも良い成績を・・・・とプレッシャー。まあ、コンクールとはあらゆるプレッシャーの塊。

で、今回。
まったく知らないコンクール。まったく知らない合唱・・・・・とにかく、こわい、こわい。審査員は有名な先生がただし、変なことはして、いまさらまた自分を否定されたくない。

私の声は本当にみんなの声に馴染んでいるか?それが怖くて、前回は本番になると声が出なかったりしてきたけれど、今度はどうだろう。実際、やっぱり私の声はでっかいし、目立つ声だと録音を聴けば思う。審査員はなんと思うだろうか・・・・・。

しかし、声がでかい私もいれば、まだ高音が上手く出ない人も、音程の下がる人も、喉声が出ちゃう人も、声の細い人も、声の太い人も、入団したての人も、勉強熱心な人も、忙しくて練習にでれない人も(私にも複数当てはまるな)・・・・・・それでもよいと、マエストロは言う。みんなで稽古してみんなで上手くなろうという。全員参加で、みんなが、それぞれによい歌が歌えればそれでいい、それで入賞も狙っているという。つまり良い演奏ができると。みんなもそれが当たり前のよう。

会場に向かうタクシーで、冗談めかして私はマエストロに言いました。

「責任は取ってくださいね・・・」

それは私のこともだし、みんなのことも。

マエストロは 「もちろんです」と即答。

そこで、決心するしかないな・・・と思う。

それで、本番。皆に思いっきり歌ってくださいねって言っておきながら、バランスを見ている振りして「この程度かしら・・・」なんて手を抜いて、ビクビク歌うのは潔くないと、私の全身全霊、満身の力を込めて歌いました。緊張して上手く歌えないところもあったし、昨日からの歌いすぎで声の出ないところもあったけれど、精一杯歌ったつもり。

それから、初めてコンクールを聴いて、、、、、整った演奏が永遠と続く。とにかくどこも整っている。発声も私が教えているものとは、まったく違う団体もあるが、それがその曲にもっともふさわしいものなのであろうと、納得する演奏ばかり。

場違いだったか・・・・いや、いや、マエストロはじめ、みんなは当然知ってたんだよな。

それだからこそ、このai_konスタイルでとことん行こうと決めてたんですね。勇気があるな~。かっこいいな~。大きいな~と、昨日は疲れた体にアルコールを流しながら関心と感謝しきり。

審査員の評価はバラバラ・・・どちらかといえば高くない先生のほうが多い。しかし、
個性を持ち、方向性を持ち、音楽を表現するai_konの存在を十分に紹介できたと思う。

その瞬間に立ち会えたことに感謝。きっと、これからは銀という結果をプレッシャーに思いすぎず、だけど忘れることなく歌っていけると思います。合唱をやって、合唱が好きになたから、ソリストとしての自信も回復させてもらったような気もする。

演奏が終わって、みんなの感想は、楽しかった、気持ちよかった、やりきった・・・・といいことばかり。
あそこを失敗してしまいました・・・すみません・・・・なんて謝る人はひとりもいない。

なんて素晴らしいんだろう。

「帰るまでがコンクール」という名言も飛び出して、素晴らしい。反省もあるかもしれないが、それも含めて楽しんでいるのだ。


本番は、リサイタルだろうと、ほんのワンフレーズのソロだろうと、合唱だろうと、緊張した時間分はきっちり疲れるものだと、うとうとしながら最終電車で家路に着きました。

沢山書いたな~。おわり。
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by saori-kitamura | 2010-09-20 19:20 | あれこれ・・・ | Trackback | Comments(0)

ソプラノ歌手 北村さおりの日常あれこれと音楽活動のご紹介。 


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