私とシマノフスキ

ピアニスト山田剛史によるプログラム解説より抜粋

今回、北村さおりさんにリサイタルの伴奏を依頼して頂いたのは大変光栄なことです。私に伴奏をご依頼くださる歌手たちは、いつも個性豊かで挑戦的なプログラムを組むことが常で、たとえば昨年私が弾いたものを挙げると、ヴィラ=ロボス、ストラヴィンスキー、バーバー、ナッセン…などなど。こうした作品はピアノパートの負担も大きく、私は勉強に大わらわですが、未知の音楽世界との遭遇はつねに私をわくわくさせ、私の世界を豊かにしてくれます。

そんな私にとっても、本日のプログラム選曲は、最高に斬新でチャレンジングなものです。なかでもシマノフスキの歌曲がたくさんプログラムに入ったのは、私にとってうれしい驚きでした。と申しますのも、私が修士論文のテーマに選んだのが他ならぬシマノフスキのピアノソナタであり、この作曲家には若い頃の思い出と相俟った、何か特別な愛着があるからです。北村さんも、かねてからシマノフスキを好んで演奏会で取り上げられて来たということで、偶然の幸運の出会いとなりました。

(中略)

誤解を恐れずに言うと、シマノフスキの音楽はいくぶん「人工的」な響きをもっています。有機的で自在な音楽というより、緻密に計算されながら3D映画のようにリアルに迫ってくる音楽。響きに対するシマノフスキの感性は本当に天才的なものだと思いますが、それを現実化する彼の手法があくまで左脳的であるのは面白いです。今日はシマノフスキの音楽の魅力を、少しでも多くの方にお伝えすることができたら嬉しく思っています。
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by saori-kitamura | 2015-05-15 12:32 | 演奏会ご案内 | Trackback | Comments(0)

ソプラノ歌手 北村さおりの日常あれこれと音楽活動のご紹介。 


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