あなたの手のひら

昨夜は星野富広さんと、仙道作三先生作曲の「あなたの手のひら」コンサートでした。

曲がなかなか馴染み難い作品で、稽古に苦労。当日もピアニストに頼んで最終確認をしっかりと。それでも恐い~~~。

星野さんが舞台上で朗読をしてくださることになっていたので、歌詞を間違えないように楽譜は置く事にしていましたが、それでも、絶対言葉を見違えたらいけない・・・というのは、私にはかなりのプレッシャー。

星野さんはとってもユーモアがお好きな方で、お顔の表情もいつもにこやかで、とっても温かな空気の方でした。

朗読を聴いてから歌いだすのですが、星野さんの朗読を聞くのは初めて、正直、歌うのが難しかった。星野さんの朗読、仙道先生の作曲、私の声・・・・・全てが違和感なくホールに響き渡るように、その場その場で考えながら歌いました。自宅で勝手に想像して作った歌は、あんまり役立たなかったような・・・・。

お客様は、一曲ずつ挟まれる星野さんの朗読を目を閉じて、星野さんをじっと見つめて、目の奥に何かを見ているような遠い目をして・・・・それぞれの味わい方で聞いた後、照明が落ちて鳴り出すピアノと歌をどんな風に聞いてくださったのだろうか。

星野さんの朗読の余韻を邪魔しないように、されど歌曲としての世界も広げるべく、お客様と一体となり共感を呼ぶように、時にはつぶやき、時には敢えて言葉を立てず音楽を優先させ、時には喋り、時には泣いて歌いました。朗読が終わるたびに舞台の照明が落ちてスポットに変わる変化は、作者の元にいた言葉が一気に聴衆それぞれのイメージの世界に入っていく手助けをしてくれたたと思う。音楽という媒体と得て、多くの方が既にお持ちである詩画集の詩とともに描かれた絵に思いをはせ、または朗読によって呼び起こされた自分の経験や感情に思いをめぐらされているように思えました。

舞台にいながら聴衆でもあった私自身もその1人であり、歌によってそれぞれのイメージを邪魔することもなく、共に朗読をかみ締め、共に感動を味わう時間でありたいと思いました。

細心の注意で臨んだ演奏でしたが、事故はやはり起きました。でも、演奏のテンションは落ちませんでした。自分でも知らないうちに間違えていたので、そのまま自然なテンションで、自分を信じて歌いました。だから、作曲の先生には申し訳ないけれど、やってしまった!!という後悔は大きくなく、充実感の残る演奏となりました。
(だけどやっぱり作曲家も詩人も一緒に舞台に乗る演奏会は怖いな~・・)

聴きにきて下さった皆様、ありがとうございました。

 
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Commented by オリーブ at 2007-03-24 09:44 x
会場にいるような気持ちになりました。さぞ心洗われるひと時だったことでしょう。大変な体験を一つ一つ乗り越え、それが又大きなエネルギー源になってさらに前へ推し進めていくのですね。ぼんやり暮らしている私にも多くのエネルギーをいただくことが出来ました。有難うございました。
Commented by mae. at 2007-03-24 22:16 x
素敵な企画でしたのに、聴きに行けなく残念でした。演奏家にとって、作詞家・作曲家と同じステージに立ち表現するということは色々な面で貴重な体験でしたね。今後のご活躍も楽しみにしています。
by saori-kitamura | 2007-03-23 18:06 | 演奏会で歌った後に・・ | Trackback | Comments(2)

ソプラノ歌手 北村さおりの日常あれこれと音楽活動のご紹介。 


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